ひよっこパイロットが撃墜王を目指す
mokkyのエースパイロットを見て頂き誠に有難うございます
ゲームと実写で学ぶ兵器解説をお届けします
以前も何回か兵器解説をしてるよね
そうなんだけどゲームWarThunderが日本の兵器を取り扱っているので日本の皆さんには日本の兵器の方が関心が高いかなと思って本格的にシリーズ化しようと思っています。
またモッキは兵器の本をしこたま買い込んだよね。
Wikipediaだと情報に偏りがあるから本の情報なんかも織り混ぜた方が良さそうだからねそれと国立国会図書館のデジタルコレクションには著作権が切れたパブリックドメインの画像があるからこれも活用しています。
ゲームと実写で学ぶ兵器解説編の第1回目は三菱零式艦上戦闘機いわゆる
ゼロ戦の兄貴分
欧米諸国が日本は後進国だと侮っていたがこの九六式艦上戦闘機の高性能に
衝撃を受けたという話でその性能を解説したいと思います。
天才技師 堀越二郎がこの九六艦戦を作ったんだよね
天才だから簡単に作っちゃったんだろうね
そうとも言えないんだよね
天才技師 堀越二郎だって挫折することがありました
まずはこの機体を見てほしい
堀越二郎が28歳の時に初めて設計主務者を務めたいわゆるデビュー作の
三菱七試艦上戦闘機
新進気鋭の設計者 堀越二郎によるだけに日本機として初めて片持式低翼単葉形式を採用するなど斬新な設計があったんだけど胴体や主脚の設計が未熟で工作技術が伴わず羽布張りだったため海軍の要求を満たせずしかも試作1号2号機ともあついで墜落して失うなど結果は散々だったんだよね
でも失敗を活かしたんだね
この失敗から貴重な教訓を得て次の九試単戦 後の九式艦上戦闘の
飛躍につがったんだよ
さすが天才! 転んでもただでは起きないね
さてこの九六式艦上戦闘機を細かく見ていきたいと思います。
まずは海軍の要求事項を見ていきたいと思います。
要求が厳しい日本海軍だから
めちゃくちゃハードルが高そうだね
実はそうでもないんだよね
最高速度 高度3000m付近で
190ノット352km以上
上昇力は高度5000mまで6分30秒以内
兵装は7.7mm機銃2丁と
ほぼ95式艦上戦闘機と同じスペックで
しかも海軍のくせに着艦性能に関しての要求事項は含めていなく
九五式戦闘機のスペックが高かったので九六式艦戦はどちらかというと
研究機に近い位置付けでまあ九五式艦戦より性能が良ければ採用って事で
正直あまり期待してなかった感じかな?
戦後の堀越二郎の著書で海軍が艦上戦闘機と言わず単座戦闘機と呼んでいた時に
すでに成功が約束されたと言ってるからかなりの自信作だったようだね
メガネ君キラーン(-□д□-)✧
これが九六艦戦の原型機である
九試単座戦闘機 試作1号機
あれこれってどっかで見たような
そうだね スタジオジブリが作成した
アニメ映画 『風立ちぬ』で登場するよね
ファインモールドさんのプラモデル
九試単座戦闘機のパッケージ画像をお借りしました。
ファインモールドさんのプラモデルも買ってね
1号機だと視界性能の向上と主脚の強度面から逆ガル翼を採用したんだけど飛行安定性に悪影響が予想されたので一般的な機体と同じように中央翼を水平にした形の2号機が作られこれが後の九六艦戦の実質的な原型になりました。
ところで性能はどうだったの?
海軍の要求で最高速度352km以上あったんだけど飛ばしてみたら要求値の100km近く速い時速451kmを記録して海軍関係者の度肝を抜きました。
そんなに速いの?
ハリケーン試作1号が1000馬力級のマーリンエンジンで時速507km
メッサーシュミットV3がユモ210エンジン680馬力 時速480kmだから
中島寿エンジン630馬力で450kmの速力なので飛行機先進国の機体と
比べて遜色ないよね
固定脚がなんか古臭いんだけど
確かにBf109やハリケンのような込み脚ではなくて固定脚っていうのは実は理由があったんだよ固定脚は空気抵抗があるから引っ込み脚の方が良いのは分かってるんだけどちょうど引っ込み脚が出始めた頃なので引っ込み脚の構造や機構が複雑で重量がかなり嵩んで機体が重くなる
エンジンも馬力がないから機体重量が増加すると速度・運動性が低下するのは避けたいということで固定脚を採用したんだよね
本当にそれだけの理由?
すみません 実は引っ込み脚にすると完成まで
3ヶ月ほど遅れてしまい試作競争から脱落してしまうので
固定脚にしてしまいました。(´;ω;`)
大人の事情ってやつだね
エンジンは中島航空機社製寿エンジンを採用しています
寿エンジンはイギリスのブリストル ジュピターエンジンを土台に
プラット&ホイットニー社のワスプエンジンの要素を加えたのが定説に
なってるようなので寿エンジンは国産エンジンとしては初めて本格的な
高空用過給器を装備した600馬力級のエンジンをこの九六艦戦は装備しました。
なぜエンジンが非力なのに要求より100kmも早い450kmも出たの?
良い質問だね そこは堀越技師の努力の賜物なんだけど
例えば沈頭鋲の採用など努力しているんだよね
モッキー チントンシャンて何?(;´・ω・)
沈頭鋲(ちんとうびょう)ね・・・(;^ω^)
昭和12年に発刊された国民工業学院の航空機という本に沈頭鋲のことが書いてあるんだけど普通飛行機を使ってるのは表面が出っ張っている丸頭鋲でこれだと空気抵抗が増すからスピードを出す場合は頭の出っ張りがなく空気抵抗を受けにくい沈頭鋲をこの機体では採用したんだよ
だけど空気抵抗は抑えられる代わりに手間が2倍になるって書いてあるね
あとは片持式低翼単葉翼の採用だね
また難しいこと言うね
その固焼き焼きそばみたいな名前は?(*’ω’*)
みーくん かたしか合ってないじゃん!しかも漢字違うし
この機体見て アメリカ陸軍航空隊
ボーイング P26 ピーシューター
九六艦戦と同じように低翼単葉翼なんだけど違いは支柱や張り線を使わずに主翼の強度によって主脚を支えるってことで空気抵抗を減らせるのが利点なんだけど主翼の強度を保たなければ主脚を支えられないのと激しい運動に耐えるには必然的に主翼は厚翼になるんだけど主翼を厚くすると空気抵抗が増して速度が出ないんだよね
そこで全金属性の主翼で強度を保ち楕円系にすることにより運動性能を重視する
戦闘機にはうつけの形状にしたんだよね
イギリスのスピットファイヤーみたいな形状だね
その努力の結果 欧米最新鋭機に近い高速性と複葉機並の運動性能があるから
中国大陸で戦った
カーチスホークⅢ
グロスターグラディエーター
ポリカルポフI-15
ポリカルポフI-16を
あらゆる面で圧倒してキルスコア10対1と一方的な戦いをしたんだよね
でも欧米機に比べて武装が貧弱じゃない
そうだね この九六艦戦にはヴィッカース式7.7mm機銃2丁なんだけど
ホーカーハリケーンが7.7mm機銃が8丁でメッサーシミットBf109も
ほどなく20mm機関砲を搭載するようになったし
じゃあ 九六艦戦も20mm機関砲で決りだね
そうもいかないんだよね
昭和初期にはまだ機銃などの開発は遅れ気味で搭載しているヴィッカース式
7.7mm機銃2丁がやっと安定した性能を出し始めた段階だしそれ以上の機銃や
機関砲を積むと機体が重くなり運動性能は落ちるから7.7mm2丁もあれば十分と
考えていたんだよね
モッキー 翼の下についてるのって対戦車用の37mm機関砲?
だから20mmも積んでいないのに37mmなんて無理でしょ
これは丸メカニックによると十五式活動写真銃って書いてあるね
活動写真銃って何?
今で言うところのガンカメラかな
他の兵装としては2号2型からは両翼に30キロ爆弾を懸吊できるようになりました
次にゲームWarThunderで九六艦戦の操縦席を見ていきたいと思います
どうせゲームだから適当に作ってるんでしょ
いや みーくん そうじゃないんだよ
丸メカニックの本を見比べても配置はほぼ一緒でちなみにこれは
2号2型以降の計器の配置になります。
細かく説明すると時間がかかるんでここは割愛します。
次に九六艦戦の戦歴に関して少し紹介したいと思います。
最初に九六艦戦が配備されたのは昭和12年7月の大村の13空で空母には8月に
2機配備されたのですが日華事変が勃発している最中で9月4日に空母加賀艦載機 中島大尉以下2機が上海から来襲してきた中国空軍カーチスホーク戦闘機6機と
交戦しうち3機を撃墜したのが初戦果になります。
その後戦果を積み重ね特に12月2日には艦攻8機の直掩として南郷大尉以下6機がI-16戦闘機20機とマーチン爆撃機10機と交戦してI-16戦闘機10機・マーチン爆撃3機を撃墜し全機無事帰還するという大戦果を上げました。
また後の空の宮本武蔵と称された武藤金義中尉も新人パイロットの頃にこの
九六艦戦に乗って中国空軍エースパイロットの楽以琴を撃墜するなどの戦果を
上げています。
だが徐々に新鋭戦闘機 零戦に置き換わり太平洋の戦いでは第一線から姿を消していきましたが昭和17年2月1日マーシャル諸島を襲ったアメリカ機動部隊の艦載機と交戦し12機を撃墜し九六艦戦の損害は0という戦果を上げ
同年5月の珊瑚海海戦で空母祥鳳に零戦ととに少数の九六艦戦が艦載機として配備されアメリカ機動部隊艦載機93機を九六艦戦2機と零戦4機へ向い打ち5機を撃墜しています。
そしてこの九六艦戦で有名なのは片翼帰還の英雄として知られる樫村寛一少尉の九六艦戦で本当は避けきれずに敵機と衝突したんだけどね
でも戦意高揚になるからってわざと敵に体当たりして撃墜し
自らは片翼で生還したってことで勲章まで貰っちゃいました
てへσ(*´∀`照)
これでこの九六艦戦の解説は終了になります
今回の九六艦戦の解説はいかがでしたでしょうか?
今回の解説でこれらを参考にさせていただきましたまたモッキは歴史研究者
じゃないから解説が間違っている場面もあるかもしれませんのでその時は
コメントなどで指摘してもらえると助かります
それでは次回もミリタリー中心の内容をお伝えしますので是非お付き合いいただけと嬉しいです。
また今回の操作方法はYouTubeで配信していますのでそちらを見てもらった方が全然分かりやすいと思いますので
YouTubeのモッキーのエースパイロットも是非よろしくお願いします